2008/06/1820:40初めての収穫
 「イノセントライフ――新牧場物語

 春の月7日日曜日。

 今日はカブが実る日だ。
 わくわくした気持ちで、いつもより早く目が覚めた。暇だから紅茶でも淹れようと思ったら、部屋にムーンライトさんとブランコ老人がいた。びっくりした。朝早かったからか、ムーンライトさんは立ったまま寝てたけど……。

 畑では、カブの葉っぱはもっと大きくなっていて、根元からはあの真っ白なカブが顔を覗かせていた。張り切って引っこ抜くと、まるまるとしたカブの実が出てきた。スーパーとかで売ってる、冷蔵庫に入っている、あのカブだ。
 あんな小さな種だったのが、毎日水をやって世話をしたら、こうやって大きくなったくれた。
 そう、これは僕が育てたんだ……。

 ブランコ老人の見守る中、僕は9個のカブを収穫し、出荷した。
 これで、お金が手に入る。また、カブ以外の作物の種も買えるようになるだろう。

 今日は日曜日だから、博士のところで健診――メンテナンスを受ける日でもある。
 ムーンライトさんに、ヴォルケーノまで連れて行ってもらった。そういえば、ムーンライトさんは、森で見つけたという壊れたロボットを連れていた。博士に見てもらいたいのだとか。どんなロボットなんだろう。
 家についた僕たちを、博士は温かく迎えてくれた。
 初めての農作、イースターでの日々、そういったものを、博士は僕の記憶しているデータから知ることが出来たようだった。シャインポッドの中は心地よくて、博士の愛がそのままそそがれているかのような錯覚さえ覚えた。
 初めてのメンテナンスは時間がかかり、僕はいつの間にか眠ってしまったらしい……。