2008/06/1419:50始めの一歩
 「イノセントライフ――新牧場物語

 春の月1日月曜日。

 その日は、いきなり「知らないジジイ」に起こされた。
 その人は、遺跡の1階に住んでるブランコと名乗った。ムーンライトさんと一緒だ。やっぱり博士の知り合いらしい。もしかしたら、友達なのかも知れない。

 ブランコ老人は、僕の最初の畑仕事を見守りに来たらしい。……暇なのかな。

 なんと、ブランコ老人は、夜明け前に少しだけ畑を耕していてくれていた。
 それだけじゃない。畑には、町の学校ヴォルケーノスクールの生徒たちがやってきていた。その中には、もちろんあのマルシアもいる。僕は博士の方針でスクールには通わないけれど、シャロン先生は出来ればみんなと友達になってあげてほしいと言っていた。

 畑そのものは広いけど、封印されてる場所が殆どで、実際に耕したり出来る場所はそんなにない。
ブランコ老人の話では、大昔、イースターの民とヴォルケーノの民が戦争をして、それに怒った精霊たちがこの大地を封印してしまったらしい。でも、ヒトが自分の手で畑を耕し、作物を育てるならば、精霊たちは畑の封印をまた解いてくれるんだって。
 ブランコ老人は、精霊たちが怒ったまんまだと、いつかはイースターだけじゃなくて島全体が滅んでしまうかもしれないとも話した。
 ……ほんとなのかな。

 取り敢えず、こうやって僕のイースター暮らしは始まった。
 まずは、今日植えたカブが実るまでは、イースターから出ないようにしよう……。